わたしはあなたのなんなのだ

あの記事この記事、なんの記事?散逸した記憶の集合体。ニヒリズムの立場から論ず。

2014-04-23から1日間の記事一覧

ニヒルの山 最終回

誰かが、僕のからだに触ったような気がした。 僕は、ちょっと身震いをした。 そして、欠伸をひとつした。 もう、季節は冬になるのか。 僕の猫が帰ってこない。おわり 2013 12 6

ニヒルの山 第4回

そのうち、夜になってしまう。 猫が帰ってこない。 僕の猫が帰ってこない。 まあ、いいや。よくないや。 どこから入ってくるのかひざしがまぶしい。 あつい。 秋なのに。 全体的にだいだいだ。 まっかだなというのはうそだ。 猫が帰ってこない。 そのうち、…

ニヒルの山 第3回

僕には、猫がいた。 猫と戯れて、一日過ごした。 食べ物は、ミルクしかなかった。 それをプラスチックの桶にいれて、猫が飲んでいる。 僕もそれに舌を入れてなめる。 体はやせ細るばかりだ。 猫が僕にのっかると、骨に響いた。 それがなんだか嬉しかった。 …

「にひるのやま」 さいしゅうかい

わたしはみました。おとこがすなのやまにてをのばしたせつな、ぱちんともうそうのふうせんがわれて、おとこはこうえんのすなばにつっぷしていました。 からすがないています。そよかぜにきぎがざわめいています。どこのこどもがおいていったのか、あかいろの…

「ニヒルの山」 最終回

俺が手を伸ばして触れようとした瞬間、ものすごい風が吹き込んできた。風は部屋の中を最大限に荒らしまわり、二つの砂の山は雲散霧消し、目玉が風で悲鳴をあげる床に静かに転げ落ちた。そして建物全体がひっくりかえったかのようになって、俺は感覚を失った。…

「ニヒルの山」 第六回

あれはなんだろうか。もう少し近づいて見てみると、砂の山の中央部分はへこんでいて、何かが入っている。覗きこむ。 それは目玉だった。しかも、生きた目玉だった。小さい目玉と、大きな目玉だった。小さい目玉のほうは大きい目玉を4分割したものだろうか。…

「ニヒルの山」 第五回

古びた扉に手をかける。と、半開きになった段階で取っ手はいとも簡単に崩れてしまった。腐食しているのだ。 半開きになったところから中の様子を覗き見る。誰か住んでいたとしたら、ひょっとしたら死体なぞあるかもしれない。そう考えると恐ろしかったが、臭…

「ニヒルの山」 第二回

山を登ることいくばくか。バスは山中の中途半端なところで止まって、「終点です」などとのたまう。たいがいにせいと思いつつ降りると、山鳥がちゅんちゅんと鳴き、川の流るる音がどこからともなくする。バスは行ってしまった。残されたのは俺ひとりである。 …

「ニヒルの山」 第一回

男は、悩んでいた。 彼は哀れな男だった。若くして心と体が老いさらばえて、なんだか日持ちのしない食品のようであった。 しかし、自然食品とはいかず、彼は添加物で身を飾っていた。いい加減にいい加減にしてほしいと思うのは常であったが、彼の怒りがどこ…

このブログの趣旨

小生、書き物をすること少なからず。然れどもただ漫然とネットに流すのみなれば、すなわち散逸す。小生顔本に文章をアップすること甚だ多ければ、その断片を纏めてみんと欲す。以上。 2014 4 23