わたしはあなたのなんなのだ

あの記事この記事、なんの記事?散逸した記憶の集合体。ニヒリズムの立場から論ず。

明晰夢で死にかけたの話(全文)

もうだいぶ前だが、明晰夢に興味を持っていたことがある。
明晰夢というのは、その中で明確に意識があり、話の成り行きを自由自在にできる夢のことであって、見られたら、崇高なことからくだらないことまで様々な事が可能になる。
当然、見ようと思ってもすぐ見られるものでもないのだが、しばらくするうちに半明晰夢くらいは見られるようになってきた。話は意のままにならないまでも、身体を意識的に動かすくらいはできるようになってきた。
そんな状態でよく見るのが、空を飛ぶ夢であった。といっても、鳥のように飛ぶのではなく、身体が勝手に浮いてきてしまう感じで、まあ水中にいる感覚に近いかもしれない。
ある程度好きなように飛んで行けるんだけど、大抵はそのままフェードアウトするように普通の夢に移行するか、意識がなくなるかどっちかなので、際限なくとんでいけるわけでもない。
で、最近久々にその夢を見ていて、ふと、このまま浮くに任せてずっと上のほうに昇ってったらどうなんのかしら?と思った。
ということで、脱力してぷかぷか浮いていったら、どんどん加速していって、下が見えないくらいはるか上空に、わりとはやく到達した。一面空色。
その上昇していく刹那、このまま昇ってったら死ぬんじゃないかしら?ということを思いついて、ちょっと恐ろしくなった。
そして、急に視界が真っ暗になったと思ったら、上昇はゆるりと停止した。そして、身体がなにも動かなくなった。
ああ、このままだと死ぬな、と思って、慌てて夢の中から抜け出した。手間取らずに抜け出せてよかった。
あのままあそこに留まっていたら、どうなっていたんだろうか。

 

2013 1 30