「ニヒルの山」 第二回
山を登ることいくばくか。バスは山中の中途半端なところで止ま
時刻表を見れば、なぜか帰りのバスが載ってない。バスは片道の
まあどうせよいのだ。しばらく下界に帰るつもりはない。
手ぶらの手をぶらぶらさせながら、俺は山林へと分け入った。
何の木かは知らぬが、思ったよりまばらである。進むのに困難だ
どこかよいところがあれば、座ってのんびりしたいなあ。そう思
と、唐突に、眼前に家が現れた。古びた家だ。赤い塗装がはげか
つづく
2013 11 8
山を登ることいくばくか。バスは山中の中途半端なところで止ま
時刻表を見れば、なぜか帰りのバスが載ってない。バスは片道の
まあどうせよいのだ。しばらく下界に帰るつもりはない。
手ぶらの手をぶらぶらさせながら、俺は山林へと分け入った。
何の木かは知らぬが、思ったよりまばらである。進むのに困難だ
どこかよいところがあれば、座ってのんびりしたいなあ。そう思
と、唐突に、眼前に家が現れた。古びた家だ。赤い塗装がはげか
つづく
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